オバマ大統領の幹細胞「命令」----JCcastの資料として
--- 2009年09月03日
おひさしぶりです(こちらでは)。
もうすぐ公開されるjournalism.jpのポッドキャスト番組「JCcast」では、「政権交代」を特集しています。僕は「生命倫理が選挙・政治の争点になる国、ならない国」(仮)という話をしました。
おひさしぶりです(こちらでは)。
もうすぐ公開されるjournalism.jpのポッドキャスト番組「JCcast」では、「政権交代」を特集しています。僕は「生命倫理が選挙・政治の争点になる国、ならない国」(仮)という話をしました。
重い病いに苦しむ患者たちが、自国では受けられない「幹細胞治療stem cell therapy/treatment」を求めて、海外へ渡航する----。
僕は繰り返し述べているように、「万能細胞」という言葉に強い違和感を持っている。
では、この「万能細胞」という言葉は、いつごろから使われ始めたのか。
ES細胞もまた、「万能細胞」と呼ばれていたはずだが、記憶に自信がないので、先日、新聞記事のデータベースを検索してみたところ、少なくとも『朝日新聞』と『毎日新聞』は、ヒトでのES細胞の樹立成功を伝える初報から「万能細胞」を見出しに掲げていたことがわかった。
ヒトでのiPS細胞の作製成功が報告された時期に、クローンヒツジ「ドリー」で有名なイアン・ウィルムットがクローニング研究の放棄を宣言したことは日本のメディアでも流され、もちろん『ガーディアン』や『BBCニュース』でも報じられたのだが、その背景まで最も深く掘り下げたのは、『テレグラフ』2007年11月16日付の記事である。
iPS細胞をめぐる報道が相次いでいる。
周知のように、アメリカのブッシュ政権は、ヒト胚を壊して得るES細胞(胚性幹細胞)研究に批判的で、それへの連邦予算の使用を制限してきた。その一方で、ヒト胚を壊すことなく得られる「倫理的な幹細胞ethical stem cell」の追求には熱心で、京都大学の山中伸弥教授らが、ブッシュ政権のいう「倫理的な幹細胞」に含まれると思われるiPS細胞の樹立に成功する前から、その方針を示してきた。
僕はオーム社の各月刊誌『メディカルバイオ』(旧『バイオニクス』)で、「海外ヘッドラインdeライフサイエンス」という連載を担当しているのだが、次号で取り上げようかどうか迷ったのだが、結局、見送ったネタがある。
「体性幹細胞adult stem cell」は、ES細胞(胚性幹細胞、embryonic stem cell)とは異なり、胚を破壊することなく得られるので、英語圏では「倫理的な幹細胞ethical stem cell」と呼ばれるものの1つに数えられている。
英語圏では、「倫理的な幹細胞ethical stem cell」という言葉が、1つのキーワードになっているようだ。
昨年8月、アメリカの研究者らが着床前診断の技術を応用して、胚を壊すことなく、それらから取り出した細胞(割球)からES細胞株を樹立することに成功した、と発表し、英語圏では「倫理的な幹細胞ethical stem cell」などと呼ばれながら報道された。しかし、この研究は、ファン・ウソックたちのような「捏造」とまでは言われないものの、その伝えられ方には大きな誤解を生じる表現があったらしく、ずいぶんと議論になったようだ。
国内では、ナノテクノロジーのリスク論争はやや低調の感があるが、英語圏ではかなり盛んで、早くも食品への応用をめぐる議論が勃発している。
僕は今年夏、自分の非才を省みず、スイスで開かれた国際学会で、「卵子提供と権力Egg donation and the power」というタイトルのプレゼンテーションを行なった。
アメリカでは、中間選挙において幹細胞研究をめぐる議論がヒートアップしたようだが、イギリスのBBCニュースは、11月9日付、つまり中間選挙から2日後に、この問題を冷静に考えるためにヒントになりそうな情報を含む分析記事を載せている。
これも周知のことだが、カリフォルニアは、いくつかの関連企業が本社を置いていることなどもあって、幹細胞研究が推進されてきた州である。
今週7日(火)のアメリカの中間選挙では、民主党がかなりの勝利をおさめた。このことは同国におけるES細胞研究の動向に大きな影響を与える可能性がある。周知の通り、アメリカのブッシュ政権は、ES細胞研究に連邦予算を使うことを厳しく制限してきた。しかし今回の結果がその状況を変えるかもしれない。
いま読むと若気の至りとしか見えない拙著『人体バイオテクノロジー』(宝島社新書)で、少しだけ反響のあったことの1つとして、ES細胞から分化させた細胞を患者に移植すると、それが腫瘍化する可能性について触れた部分がある。
ナノテクノロジーのリスクについての原稿を書き終えたばかりなのだが、アメリカでは、国家研究評議会の分科会が『サイズの問題』という報告書をまとめたらしい。
ナノ粒子の毒性を評価する実験結果は、日本のメディアが最近報道したものはin vitro、すなわち培養細胞などを用いた試験管内実験が多いが、in vivo、すなわち生体での実験もそれなりに行なわれているようだ。
少し古いが、『サイエンス・ニュース・オンライン』が昨年3月の毒性学会の様子を伝えている。ご参考までに。06.10.22
表題の事件について、イギリスのBBCの素晴らしいところは、その背景を深く掘り下げる記事もきっちりと載せていることである。この今年9月7日付の解説記事によると、インドや南アフリカ、中国でも類似の問題が生じているらしい。船舶解体が第三世界に押しつけられて、しかも労働者に健康被害をもたらしていることは初耳である。
日本でもナノテクノロジーのリスクがようやく議論されるようになったが、それでもまだまだ、日本語で読めるリスク情報は、決して多くはない。
先日、アフリカのコートジボワールで、オランダ企業(役員はフランス人)がチャーターしたパナマ船籍の船「プロボ・コアラ号」が運んできた廃棄物が、地元住民に多大な健康被害をもたらしたことを紹介した。
僕の単行本デビュー作は、ビル・モイヤーズ編『有毒ゴミの国際ビジネス』(技術と人間、山口剛との共訳、1995年)という翻訳書である。この本は、アメリカのジャーナリスト団体「調査報道センター」が、先進工業諸国から第3世界への廃棄物輸出がビジネスとなっている現状を克明に記した作品で、テレビドキュメンタリーをもとにしたものらしい。そのことを知ってか知らずか、ある知人が、だだでさえ内戦で政情が不安定なコートジボワールで、同様の“事件”が起きていることを知らせてくれた。